関谷徳夫著『吉里吉里語辞典』復刻プロジェクト

 

『吉里吉里語辞典』は2007年に岩手県下閉伊郡大槌町吉里吉里在住の関谷徳夫さんが自費出版された『いとしく おかしく 懐かしく:私の吉里吉里語辞典』を復刻しより使いやすくしたものです。この度の東日本大震災で原本のほとんどが流出してしまいました。明治学院大学社会学部浅川研究室がその復刻を目指して作業を進めているところです。弊社は浅川先生からの依頼をうけ、発行元および発売元を引き受けることになりました。本書の詳細については浅川達人先生がまとめられた 復刻版『吉里吉里語辞典』のご案内 を参照して下さい。個人購読のお客様は可能な限り震災後、大槌町に開店された一頁堂様から購入してくださるよう、お願いいたします。

 2012年12月 ハーベスト社


1.吉里吉里語辞典とは
岩手県上閉伊郡大槌町は,東日本大震災により甚大な被害を受けました。井上ひさしの小説『吉里吉里人』によってかつて全国に名前が知られた,この大槌町に属する「吉里吉里」という小さな湾を囲む町もまた大きな被害を受け,多くの住民の住宅,商店,職場が津波によって破壊され,流されてしまいました。
この吉里吉里地域には独特の方言があります。同じ大槌町に属する「安渡」や「町方」で用いられている方言とも少し異なる方言です。この方言―吉里吉里語―を標準語で解説・説明した辞典『吉里吉里語辞典』が,吉里吉里で暮らす関谷徳夫さんによって 2007年に出版されました。そこには,吉里吉里地域で古くから受け継がれてきた伝統的な価値観や生活がいきいきと描かれています。
たとえば,「相続心(そうぞくこ°ごろ)」という吉里吉里語があります(「こ°」は「ご」の鼻濁音を指します)。ある人物の子どものころを回想して,「大将ぁワラスなぁから相続心のある奴だったぁよ」などと評する場合などに用いられます。意味は,「あの旦那は子どもの頃から,家計を維持することを第一義と心得て,少しでもそれに資するよう努める心構えをもった子どもだったよ」となります。この言葉からは,吉里吉里の人々が「相続心」という生活理念を大切にしてきたことがわかります。このように,吉里吉里語辞典には吉里吉里での伝統的な人々の生活が記録されているのです。

 

詳細はこちらから→復刻版『吉里吉里語辞典』のご案内 より

関谷徳夫著『吉里吉里語辞典』仕様
(変更される可能性がありますが、大きく変わることはありません)

判型:A5判
頁数:約500頁
製本:並製カバー

本体価格:
一般書店売り4000円程度を予定しています

一頁堂様直送の場合
3500円程度
送料・振込手数料をご負担下さい