『東日本大震災後の宗教とコミュニティ』
  評者 : 猪瀬優里先生 (龍谷大学准教授)
『社会学評論』No.4 、 2020

「阪神・淡路大霙災と東日本大震災を中心に『宗教と震災』について論じた三木英紀は、この書の冒頭で「この復興のため、宗教には何ができるのだろう.
人々の『宗教離れ』が喧伝されるなか,宗教はいかなる貢献をなすことができるだろうか」と 問う.宗教こそ,このようなときに力を発揮するべきとの視点もあるだろう.
.....1つの地域に絞り,多角的かつ具体的に宗教の働きを追うことによって,宗教がコミュニティに果たす役割「宗教に何ができるか」という答えの多面性が的確に示されている.
当地での人びとの暮らしは今も続いているのであり,宗教はそこにもあり続けるものである.復旧・復興対策期以降の宗教とコミュニティについての報告も期待される.」